土壌汚染と不動産仲介の留意点

不動産お役立ちコラム

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土壌汚染と不動産仲介の留意点

「土壌汚染」は今や不動産取引をする上で重要事項となっています。そこで、Q&A方式で下記にまとめてみました。

Q.
油類の土壌汚染があった場合、売買契約を解除できるのか?
A.
「解約」は難しいです。油類は土壌汚染対策法の規制対象外だからです。不快性、快適性の程度の問題で争うことになると考えられます。
Q.
自然に由来する土壌汚染は売主に追及できるのか?
A.
人工的ではない原因で特定有害物質が含有されている場合、土壌汚染対策法における一定の条件を満たすものは「自然的原因と判断する」とされています。
売買上、土壌汚染の有無は土壌汚染対策法の基準を準用する場合が多く、この場合自然に由来する土壌汚染は、「汚染ではないが、売買条項は当事者の合意で決められるので、自然に由来するのだとしてもその除去を求めるのは自由」ということになります。
Q.
売買契約特約で「土壌汚染について売主は一切責任を負わない」は全てに有効なのか?
A.
売主がその土地が土壌汚染されていることを知っていたり、その情報を開示しなかったりしている場合、特約は無効とされる可能性が高いです。
Q.
売主の瑕疵担保責任に基づく請求権はいつまでに行使すればよいのか?
A1.
“事実を知った時”から1年以内です。ただし、瑕疵担保責任の追及は10年の消滅時効があります。その10年の消滅時効が土壌汚染の場合にも適用されるかについては、現在のところ結論が出ていません。契約時瑕疵でなくても法改正等で瑕疵と認識された時の“事実を知った時”とは法改正後1年以内です。
A2.
商人間の売買の場合、6か月以内に瑕疵が発見できないと請求できません。
A3.
売主が悪意の場合、通常は10年、商事でも5年請求できます。
A4.
売主が汚染原因者である場合、不法行為の損害賠償請求は“事実を知った時”から3年間です。
A5.
汚染原因者が不明の場合、不法行為時から20年間請求できます。
A6.
汚染されていないことが取引の重大要素の場合、汚染されているのであれば錯誤に基づき無効を主張できます。その主張期間に法の定めはありません。
Q.
善意無過失で土地を購入後、汚染が発見された場合の所有者の責任とは?
A.
善意無過失での購入においても、土壌汚染対策法の基では所有者等としての責任があり、調査義務や汚染除去の措置義務が生じます。
Q.
売主は汚染についてどこまで買主に告知すべきか?
A.
汚染の可能性が不確実であれば告知は不要になります。告知事項は自己の使用履歴や、汚染の事実を知っているのなら前所有者等の使用履歴、汚染の可能性を探るに必要なわかりうる誠実な情報が必要となります。
Q.
特定施設を売買する場合、調査義務はあるのか?
A1.
特定施設を廃止しても工場は操業しながら買主が引き継ぐ場合、売主は確認届を提出することで調査は猶予されます。買主は地位の承継の届け出をします。
A2.
特定施設を廃止して工場が操業しない場合、土壌汚染対策法上の調査義務が生じます。これらの調査義務は売主に生ずるものであり、契約で買主に引き継ぐことはできません。
Q.
汚染された土地の浄化費用を売主が負担する場合における売買契約の留意点とは?
A.
売買契約書の価格は浄化費用を含むのか含まないのかをはっきりと明示しておくことです。売主なら、その浄化費用以外は一切負担しない特約を入れるべきでしょう。買主なら、転売して元の売主に汚染原因者としての責任追及がされない措置(浄化させること等)の特約を入れるべきです。浄化作業を確認後、費用負担等をするなどリスクを避けることが必要です。
Q.
売買契約で土壌汚染があった場合、その請求は2年に限るとの特約は有効か?
A.
有効です。瑕疵担保請求できる期間は様々なケースがあり、売主は長期間リスクを引っ張られることを嫌がります。“その事実知った時から1年”や、“商人間は6か月”といった排除の特約は有効です。

不動産と法知識は切っても切れない関係にありますので、個人の方も不動産会社や弁護士に頼ることなく基本的な法知識を身につけることが大切といえるでしょう。

※土壌汚染対策法(2002年5月29日法律第53号)とは
土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止を目的とし、2003年2月15日に施行された法律です。

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