土地の境界に関する争いを解決するために、筆界特定という方法があります。これは、登記官が、専門家の意見を踏まえ、土地の筆界(公法上の境界)の位置を特定する制度です。
筆界を最終的に確定するのが裁判所であるとはいえ、専門家の調査に基づく筆界特定登記官の判断は、当然のお話ですが裁判所もこれを尊重することになります。そう考えると筆界特定は、実際上、ほとんどの場合に紛争解決の役割を担うものと考えられます。私たち不動産会社も不動産取引に関連し、筆界特定制度の意義を十分に理解しておく必要があります。しかし、特定までにかなりの時間を要するので、この筆界特定を利用する前に、“ハンコ代”といわれる金銭の支払いによって解決を図ってしまうことも多々あるそうです。