中古マンションは、新築マンションと比較すると安いイメージがありますが、大きな買い物であることは間違いありません。購入価格の他に、仲介手数料や火災保険料、その他の諸費用がかかることを考えると、その金額はさらに膨れあがります。中古マンションの購入にかかる負担を少しでも軽くしたい場合は、諸費用の中で見直せる項目を検討しましょう。今回は、火災保険や仲介手数料の見直しについてご紹介します。
中古マンションの購入費用を安くするには?
中古マンションには、土地の相場や立地条件、建物状況に応じた「適正価格」があります。適正価格を算出し、売買取引の際に交渉の材料にするという方もいるでしょう。しかし、交渉は相手あってのことですので、要求金額の値下げにも限界があります。
着実に購入負担を軽減するには、諸費用の項目をチェックし、減らせる部分は適宜見直していく作業が大切です。参考までに、中古マンション購入の際の諸費用を以下にご紹介します。
・売買契約書に貼る印紙代
・固定資産税・都市計画税・消費税・不動産取得税などの税金
・所有権移転登記の費用
・火災保険料
・仲介手数料
中古マンションの権利を移すには、所有権移転登記が必要であり、登録免許税および司法書士に支払う報酬費用が発生します。司法書士への報酬は、事務所や地域によって差が生じるため、事前に調べましょう。また中古マンションの売り主が個人の場合は、消費税がかかりません。
中古マンションの火災保険を見直す方法
中古マンション購入の際、費用負担を大きく左右する要素のひとつが、火災保険です。では火災保険を見直すにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。ここでは、中古マンションの火災保険を見直すにあたって知っておきたい基礎知識と、火災保険料を節約する方法をご紹介します。
火災保険料を決める要素
火災保険料の金額はさまざまな要素から判断されて決まります。そこで、まずはどのようなことが火災保険料に影響するのか見ていきましょう。以下の6つが、火災保険料を決める主な要素です。
1.建物の構造
まず、建物の構造によって火災保険の金額は異なります。構造の違いによって保険料は大きく変わるため、購入予定の中古マンションがどのタイプなのかを知っておきましょう。
建物の構造はM構造、T構造、H構造の3つに分類されます。M構造のMはマンションの頭文字から取られており、多くのマンションやアパートのような集合住宅はこれに分類されます。コンクリート造またはレンガ造の耐火建造物であれば、M構造となります。T構造は、耐火構造の頭文字Tから取られています。鉄骨造や準耐火建築物、省令準耐火建物のマンションは、このT構造となります。M構造にもT構造にも該当しない、木造などの非耐火建築物がH構造です。
M構造がもっとも火災保険料が安く、H構造がもっとも高くなります。
2.床面積
床面積は大きくなればなるほど保険料が上がります。
3.建築年月
建築されてから年月が経過しているほど耐火性も落ちるため、保険料が上がります。
4.建築金額
建物自体の金額が高いとそれだけ保証される金額も高くなるため、保険料が上がります。
5.補償範囲
建物のみの補償なのか、地震保険をつけるか、家財保険などもつけるのかなど補償範囲によっても保険料は変わります。
6.保険期間
契約期間が長いほど、月割りで見たときの保険料は安くなります。
マンションで加入する火災保険の相場
火災保険料を決める主な要素を踏まえて、一般的な条件での相場を見ると次のようになります。
【条件】
・構造…M構造
・場所…東京
・築年数…10年
・面積…80平米
・建築保険金額…1000万円
・補償範囲…地震保険あり、火災・落雷・破裂・爆発・風災・ひょう災・雷災、家財保険500万
・保険期間…5年
【火災保険料の相場】
・1年…約2万8000円
・5年…約14万円
中古マンションの火災保険を節約する選び方
・補償内容を絞り込む
火災保険は、保険の対象や契約内容、契約期間によって負担額が異なります。そのため、本当に必要な補償内容かどうかをよく検討することが大切です。
まず重要なのは、建物部分のみを対象とする契約内容を選ぶことです。マンションの購入価格と同じ金額の保険をつけた場合、「土地代」に相当する敷地利用権の分も含まれることになり、必要以上に保険料を負担しなければなりません。また、建物に関する補償でも階数や地域によっては、損害リスクを考慮しなくて済むケースがあります。例えば、上階の水害、豪雪地域以外の雪害などです。逆に、水害や土砂災害の危険性が高い地域に立地している場合や、高価な家具をそろえている場合などは特約が必要かもしれません。
これらの点を加味したうえで、自分の状況に合う火災保険を選びましょう。
・長期契約・一括払いにする
基本的に長期契約をした方が保険料は割安になります。火災保険も長期の契約ほど、年単位での保険料負担が軽減できます。つまり、1年ごとに更新する契約を結ぶよりも、3年・5年・10年契約と、長期スパンで契約する方がはるかに得です。契約時の段階で負担を抑えるためには、火災保険は長期契約を検討すると良いでしょう。また、分割よりも一括払いにした方がトータルで支払う額は少なくて済みます。ただし、契約期間が長い場合、割安ではあっても一度に支払う金額は大きくなるためご注意ください。
・銀行提携の保険会社で加入する
住宅ローンを組んでいる銀行提携の保険会社で加入するというのも1つの手です。住宅ローンと火災保険を同じ銀行で利用する場合、団体割引がきいて保険料が安くなることもあります。
・中古マンションの火災保険の契約に必要な書類
火災保険の契約に必要な書類はマンションと一戸建てとで異なります。マンションの場合は以下の書類が必要です。
・重要事項説明書
・全部事項証明書
・売買契約書
・銀行口座の情報・届け出印(口座引き落としの場合)
中古マンションの仲介手数料を見直す方法
中古マンション購入の際は、不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。この仲介手数料は、法律で定められた上限額を請求されるのが一般的です。しかし、不動産会社によっては仲介手数料を半額、もしくは無料にできるところがあります。少しでも購入負担を抑えたいのであれば、仲介手数料が安くなる不動産会社を選びましょう。
仲介手数料の相場について
仲介手数料の相場としては、1000万円の物件では40万円ほど、2000万円の物件では70万円ほど、3000万円の物件では105万円ほどになります。
不動産売買の仲介手数料については「不動産の売買に関する仲介手数料の相場はいくら?計算方法は?」で詳しくご紹介しています。
中古マンションの仲介手数料を値引きする
仲介手数料は諸費用の中でも大きな割合を占める部分ですので、できるだけ安く抑えたいという方も多いでしょう。仲介手数料の値引きに関しては、まずは不動産会社に相談してみることをおすすめします。ただし、値引き交渉は上手くいかないことも多くあります。値引きしたいという方は、仲介手数料を安くしている不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。リビンでは仲介手数料を半額または無料でお取引を進めさせていただいています。
中古マンションの購入費用に困ったら
中古マンションの購入費用が予算オーバーかもしれないという方は、これまでご紹介してきたように火災保険や仲介手数料について見直すことで大幅にコストダウンが図れるかもしれません。また、住宅ローンから見直したり、リノベーションをする予定の場合はできる限りDIYで済ませたりするなどさまざまな方法があります。中でも仲介手数料に関しては、仲介手数料を安くしている不動産会社を選ぶだけで済むのでもっともシンプルな方法といえます。リビンでは、物件購入の際の仲介手数料を、無料にするサービスを提供しています。
中古マンションの購入において、1社の不動産会社が仲介する場合、仲介手数料をいただきません。不動産会社が2社仲介する場合は、仲介手数料を半額にてご案内いたします。
おわりに
中古マンションの購入負担を少しでも軽くするためには、諸費用の見直しを必ず行いましょう。特に、条件に合う火災保険の選択・見直し作業が不可欠です。火災保険は補償内容や契約期間、分割なのか一括払いなのかで支払う保険料が大きく変わってきます。土地の気候や立地なども考慮して、どのような特約が必要なのかを見直しましょう。仲介手数料に関しては、無料・半額にできる不動産会社の利用をおすすめします。リビンでは、不動産会社の仲介が1社の場合、仲介手数料は無料です。ぜひ一度お気軽にご相談ください。